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トレードしているときに起きる不思議なこと
エントリーしようとした瞬間、スプレッドが急に2倍以上に広がってしまった。
注文したのに『この価格では約定できません(約定拒否)』と表示され、再注文を迫られた。
FXをやっていると、こうした約定時のちょっとした不思議なことを経験することがあります。
これらはすべてスプレッドの変動、スリッページ、約定スピード、そし約定拒否(リクオート)といった事象が関係しています。
特に相場が荒れたときや経済指標発表時は、
-
- スプレッドが一気に広がる
- 注文が通らずチャンスを逃す
といった現象が起こりやすくなります。
これらは、DD方式・STP方式・ECN方式といった業者の取引方式に関係しています。
以下の表では、取引方式ごとの特徴とそれぞれの取引方式は、どのトレード手法(スキャルピング、デイトレード、スイングトレード)に向くのか、向かないのか等について示します。
私は、EA(自動売買システム)を使い、スキャルピングを行っていますが、急な相場変動によるスリッページや約定拒否が発生しやすくなります。
特にスキャルピング手法を使う方は、この取引方式を十分に検討し、FX業者を選ぶ必要があります。

2025年8月10日時点の情報です。今後、変わる可能性はあります。
| 取引方式 | 特徴 | スキャルピング | デイトレ | スイング | スプレッド | スリッページの傾向 | 約定スピード | 約定拒否 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| DD方式(ディーリングデスク) | 取引の注文を業者の内部で処理する方式です。顧客の注文は直接インターバンクに流れず、業者が価格を管理し、場合によっては注文を受け入れたり拒否したりします。国内のFX業者のほとんどはこちらを採用しています。 | 不向き× | 可 | 良 | 狭め〜固定 | 少なめ | 速い | 発生する可能性あり(価格変動時に拒否) |
| NDD - STP(インスタントエクスキューション) | 注文時に画面に表示された価格で、その場ですぐに取引が成立する方法です。提示された価格での即時約定を重視します。国内のMT4が使えるFX業者は、こちらを採用していることが多いです。 | 不向き〜△ | 可 | 良 | やや広め | 少なめだが、急変時は発生 | 速い(場合による) | 発生する可能性あり(価格変動時に拒否) |
| NDD - STP(マーケットエクスキューション) | 注文がインターバンクに送られ、その時点での最も有利な市場価格で取引が行われる方法です。約定価格は注文タイミングの市場状況によって変動します。国内のMT4が使えるFX業者は、こちらを採用していることが多いです。 | 可〇 | 良 | 可 | やや広め | 市場次第で正負どちらもあり得る | 遅い | 基本的になし |
| NDD - ECN(マーケット直結) | 顧客の注文を直接複数の市場参加者と結ぶ電子ネットワークに流す方式です。取引は透明で、市場の実際の価格に基づき約定されます。業者は仲介手数料を取る形が一般的です。採用している国内でFX業者はないようです。 | 良◎ | 良 | 可 | 非常に狭い(手数料別途) | 市場を忠実に反映(正負両方) | 最速に近い | 基本的になし |
補足:
- 実際の挙動は業者ごとに差があります。表は一般的な傾向を示したものです。
- 「スプレッドが狭い=常に有利」ではありません。
- スキャルピングでは「狭いスプレッド+高速約定+低スリッページ」が重要です。
以下は取引方式の関係を図式化したものです。

DD方式とNDD方式の違い
DD方式とNDD方式を図式化したものです。



DD方式とNDD方式の違いは、一言で言うとDD方式は業者が注文を自社で処理し、NDDは注文をインターバンクに流す方式です。
※インターバンク 銀行同士が直接外貨を売買するための国際的な取引市場(相対取引のネットワーク) のこと
詳しくは、下記の記事を見てください。
MT4によるバックテストの3つの落とし穴(スプレッド、スリッページ、ヒストリカルデータの精度)についてわかりやすく説明
この記事では、NDD方式 の一つであるSTPのインスタントエクスキューションとマーケットエクスキューションについて説明します。
STPのインスタントエクスキューションとは
STPのマーケットエクスキューションは、インターバンクにおける価格をもとにスプレッドを上乗せして投資家に表示します。
投資家が注文を出すと、その注文はFX会社から直接インターバンクに流され、実際のインターバンクの価格で約定されます。
注文は市場の価格変動に応じて約定されるため、スリッページや約定拒否が発生することがあります。約定速度はFX会社のシステムや市場状況に依存しますが通常は速いと言われています。
約定拒否は、注文がFX会社からインターバンクへ送られた時点の価格と、実際に約定される瞬間の価格が大きく変わってしまい、提示価格で約定が行えない場合に発生します。

STPのマーケットエクスキューション
STPのマーケットエクスキューションは、インターバンクにおける価格を基にスプレッドを上乗せして投資家に表示します。
投資家の注文はFX会社を通じてインターバンク等に送られ、インターバンクで約定されます。
インターバンク約定のため注文処理にタイムラグが生じることがあり、そのためスリッページが発生しやすくなります。
基本的に約定拒否(リクオートや注文キャンセル)が起きません。(非常に稀に起こることもある)

どの取引方式を選択するとよいのか(フローチャート付き)
トレード手法により、どの取引方式がよいのか選択するためのフローチャートを作成しました。
参考にしてください。
[スタート]
↓
短時間で何度も取引を行うトレード手法ですか?
├─ はい → スキャルピング派
│ ↓
│ 最低スプレッドの低さを重視しますか?
│ ├─ はい → DD方式 または スプレッドの狭いSTP(マーケットエクスキューション)
│ └─ いいえ → 約定スピードと透明性を重視 → ECN方式
│
└─ いいえ
↓
1日〜数日の保有を想定しますか?
├─ はい → デイトレード派
│ ↓
│ 透明性とスリッページの少なさを重視しますか?
│ ├─ はい → ECN方式 または 高速STP方式
│ └─ いいえ → 安定したスプレッドのDD方式
│
└─ いいえ
↓
数日〜数週間、長期保有が中心ですか?
├─ はい → スイングトレード派
│ ↓
│ スプレッドよりも約定の安定性を重視 → DD方式 または STP方式
│
└─ いいえ → 投資スタイルの再検討
あくまで参考です。
選択する際は、個人の責任によって行ってください。
