目次
- 1. なぜ「未来の価格変動幅」を知ることが重要なのか
- 2. 統計的アプローチによるFXの未来予測とは
- 3. 95%(2σ)信頼区間で「予測レンジ」を描くインジケータ
- 4. このインジケータの活用法
- 5. 注意点と限界
- 6. まとめ
1. なぜ「未来の価格変動幅」を知ることが重要なのか
未来の価格が上昇すると分かれば「買い」、下降すると分かれば「売り」といった判断が可能です。
この上昇・下降の判断は、通常はMAやMACDなどのインジケーターで行うことができます。
しかし、これらのインジケーターは過去のチャートに示されたものです。
未来のチャート上に示されたものを直接見ることはできません。
もし未来の価格を予測を見ることができれば、エントリーの判断材料として大いに活用できるのではないでしょうか。
今回、この未来の価格を予測するインジケータを独自に作成しました。
2. 統計的アプローチによるFXの未来予測とは
過去n本分のローソク足の価格幅を使って、未来の価格変動を予測してみます。
価格幅は次のように表せます:
\[
\text{価格幅}_i = \text{終値}_i - \text{始値}_i(i = 1~n)
\]
この1本目から𝑛本目までの価格幅のデータを使い、モンテカルロシミュレーションという方法で未来の価格の動きを予測します。
簡単に言うと、過去の値動きをもとにたくさんの「あり得る未来の値動き」を作ってみて、未来にどれくらい価格が動くかを統計的に見積もる方法です。
3. 95%(2σ)信頼区間で「予測レンジ」を描くインジケータ
本インジケータは、将来の価格が95%(2σ)の確率で収まる価格変動の範囲(揺らぎ)をチャート上に帯状(ファンチャート)で表示します。
- 上限バンド:予測上限(+2σ)
- 下限バンド:予測下限(-2σ)
- 中央線:予測中央値
※2σとは、100回中95回はこの範囲に収まるイメージと考えてください
指定したL本先のローソク足まで、価格変動の範囲を表示できます。
実際の表示は、次のようになります。(私のX上の動画)
95%の確率で未来の価格変動の幅を予測するインジケータを作成。 pic.twitter.com/QmjniyYlyO
— FXEA-Trader(FXEA研究会) (@TradeFxea) October 19, 2025
指定するパラメータは次の通りです。
- 過去データ数:未来の価格予測に使用する過去データの範囲で過去のローソク足数で指定します。
- モンテカルロ試行回数:シミュレーション回数を指定します。大きいほど精度は高くなりますが、その分、処理速度が遅くなります。
- 未来予測する足数:ここで指定した足数分、未来の価格範囲がチャート上に表示されます。
- パーセンタイル:価格変動範囲の確率を指定します。
- FanColor:価格変動範囲の色を指定します。
- MedianColor:中央値線の色を指定します。

このインジケータは、現在のところ、非公開です。
将来的には公開する予定です。
4. このインジケータの活用法
(1)損切り・利確ラインの設定
予測レンジを参照して、想定振れ幅に基づいた損切り・利確を設定します。
(2)ボラティリティ環境の変化検知
価格変動の範囲が広い場合、ボラティリティが大きいと判断できます。
5. 注意点と限界
この手法は確率的予測であり、必ず当たるわけではありません。95%信頼区間でも5%は外れます。
環境が継続している場合は、有効ですが変化した場合、予測が乖離する可能性があります。
実戦では他のテクニカル指標(移動平均、MACD、RSI等)やファンダメンタルズと組み合わせることを推奨します。
6. まとめ
本記事で紹介した「FXの未来の価格変動幅を統計的に予測するインジケータ」は、過去のローソク足の価格幅データを使い、モンテカルロシミュレーションで未来の値動きの範囲を統計的に推定するツールです。
主な特徴
- 未来の価格が95%の確率で収まる範囲をチャート上に表示(ファンチャート)
- 損切り・利確ラインの合理的設定に活用可能
- ボラティリティを察知できる
- 確率的予測なので、100%当たるわけではなく、他の指標と併用することで精度が向上
活用のポイント
このインジケータを使うことで、未来の価格変動の幅を見通す視点をトレードに取り入れられます。
リスク管理や戦略立案の補助ツールとして活用できると思います。
