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100万円が1億円に?EAバックテスト結果で分かるヒストリカルデータの精度差

目次

1. FXDDのヒストリカルデータによるバックテスト結果

私の自作EAのバックテスト結果です。期間は2010年1月1日から2024年12月31日までの14年間です。初期資金100万円でテストしました。

  • 使用ヒストリカルデータ:FXDD
  • プロフィットファクター:2.85
  • 勝率:55.36%
  • 最大ドローダウン:12.4%
  • 取引数:1,335回

結果として100万円が約1億円に増えました。

この結果にはとても興奮しました。

しかし、落とし穴がありました。

バックテスト結果グラフ

2. 自作EAのトレードルール

ロジック 内容
エントリー条件
  • 始値から〇秒以内に一定以上の価格変動が発生
  • 価格変動方向に沿って新規エントリー
クローズ条件
  • 設定した固定の利確(Take Profit)に到達
  • 設定した固定の損切り(Stop Loss)に到達

このEAは、価格が急上昇・急降下した場合にエントリーする秒単位のスキャルピング型です。

※ロジックは単純化しています。実際のロジックはもう少し複雑です。

 

3. Tick Data Suite(TDS)のヒストリカルデータによるバックテスト結果

FXDDはヒストリカルデータとしての精度がよくないということで、精度が高いTick Data Suite(TDS)のヒストリカルデータを使い、同じ期間、100万円からスタートしてバックテストを実施してみました。

大変、ショックでした。

右肩下がりで1億円どころかマイナスです。

これは、主にFXDDとTDSのヒストリカルデータの持ち方の違いに原因がありました。

それ以外にもMT4は固定スプレッドでスリッページが考慮されていないこともあります。

次のスプレッドとスリッページについては次の記事で説明しています。

MT4によるバックテストの3つの落とし穴(スプレッド、スリッページ、ヒストリカルデータの精度)についてわかりやすく説明

4. FXDDのヒストリカルデータの形式(OHLC)

FXDD(※)のヒストリカルデータはOHLC形式で保存されています。1分足ごとの始値・高値・安値・終値しか含まれず、時間情報はありません。

※FXブローカーである FXDD(Forex Dealer, Inc.) が提供する過去の為替相場データ

O = Open(始値) = 150.00
H = High(高値) = 150.10
L = Low(安値)= 149.95
C = Close(終値)= 150.05

MT4では、始値・高値・安値・終値の時間が自動的に均等に割り当てられます。

イメージは次の図の通りです。

この方式では、秒単位の価格変動を正確に再現できません。そのため、秒単位でトレードするEAには精度不足となります。

5. TDSのヒストリカルデータの形式(実ティック)

TDSの実ティックデータは、秒単位で市場で発生した価格変動をそのまま記録しています。

 12:00:00 150.00
 12:00:05 150.02
 12:00:12 150.08
 12:00:20 150.10 ←高値到達
 12:00:25 150.07
 12:00:33 150.00
 12:00:40 149.97
 12:00:50 150.05 ←終値付近

 

イメージは次の図の通りです。

実ティックのイメージ

あきらかにヒストリカルデータの持ち方が異なります。

この違いから私の作成した自作EAは、OHLC形式に特化したカーブフィッティングだったという結論でした。

とても残念な結果ですが、とても勉強になりました。

6. OHLC形式と実ティックの違い

形式 特徴 デメリット
OHLC(FXDD) 1分足の始値・高値・安値・終値のみ 高値・安値に到達した正確な時間が不明、秒単位トレードには不向き
実ティック(TDS) 秒単位で全ての価格変動を記録 データ量が膨大

FXDDのヒストリカルデータが全く使えないわけではなく秒刻みのトレードでないディトレードなどでは使えると思います。

さらに言うと実ティックも本当の真のティックとは差があります。

実ティックは「記録された価格の点」で、真のティックは「市場で実際に起きたすべての価格変動」です。

点と点の間の細かい動きは実ティックでは見えません。

7. 実ティックと真の値動きの差

実ティックは「記録された価格の点」です。点と点の間の価格変動は正確にはわかりません。真のティックは市場で実際に起きたすべての価格変動です。

ミリ秒レベルのEAでない限り、差はほとんど気にしなくてよいと思います。

イメージは次の図の通りです。

8. まとめ

  • FXDDのOHLCデータは秒単位トレードには不向き
  • TDSの実ティックデータは秒単位スキャルピングに適している
  • EAのバックテスト結果はヒストリカルデータの精度に大きく依存する
  • 実ティックと真のティックの差は、超短期トレード以外では無視可能

 

Mister-FX|シニアITスペシャリスト・会社員トレーダー
国内大手IT企業で30年以上、統計を活用したソフトウェアプロセス改善に従事。
FXのEA(自動売買システム)開発歴5年、MQL4を用いた戦略構築やバックテストに取り組んでいます。
PDCAを軸に、失敗から学んだ改善事例とデータ分析をもとに解説。
保有資格:ISO9001審査員補/ISMS審査員補/品質管理検定2級/初級ソフトウェア品質技術者

※免責事項
本記事は、投資助言を行うものではありません。教育および一般的な情報提供を目的としたものです。公開されている資料や一般的な分析手法をもとに作成しています。FXはリスクを伴う金融商品であり、損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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