目次
1. はじめに:FXでは、時間帯によって値動きの傾向が変わる?
FXでは、時間帯によって値動きの傾向が変わると言われています。
たとえば、深夜帯は取引量が少なく値動きが落ち着きやすい一方、ロンドン市場やニューヨーク市場が重なる時間帯はトレンドが出やすい傾向があります。
今回は、半年分のドル円1分足データを使い、時間帯ごとにトレンドが出やすいかどうかを統計的に分析しました。
2. データの分類
今回の分析では、次のデータを使いました。
データ
- 期間 6か月(直近半年)
- 通貨ペア ドル円
- 時間足 1分
- ヒストリカルデータ Tick Data Suite(TDS)
データの分類
1分足の終値の変化で、一つ前の時間足との価格の比較で次の3つに分類しました。
- UP(上昇)
- DOWN(下降)
- FLAT(ほぼ変わらない)
一つ前の時間の価格のUP、DOWN、FLATの比率
10年間(2014年1月1日から2024年12月31日)のデータでUP、DOWN、FLATの比率を算出したところ、以下のようになりました。
UP、DOWN、FLATの比率はほぼ均等になりました。

上昇、下降トレンド
UP、DOWN、FLATが連続しているケースの頻度について分析しました。
以下のグラフは、UP、DOWN、FLATの連続数を横軸、件数を縦軸にしたヒストグラムです。

※分析結果は、投資判断に使わないでください
5本以上連続するケースは比較的少ないことが分かりました。
そこで便宜的に
UPまたはDOWNが5本以上連続する場合はトレンドが出ている可能性が高い
と定義しました。
3. 分析方法
分析の手順は以下の通りです:
- 連続カウント: 「UP」「DOWN」が連続して5本以上続く箇所を数えます。
- 時間帯ごと集計: その件数を時間帯別にまとめます。
- 統計検定(カイ二乗検定): 時間帯ごとに件数が偶然の範囲か、偏りがあるかをチェックします。
- グラフ化: 時間帯ごとの件数を棒グラフにして視覚的にわかりやすく表示します。
4. 分析結果
時間帯ごとの「5本以上連続UP/DOWN」の件数は次の通りです。

FXの時間帯別分析では、トレンド発生に明確な偏りが見られました。
深夜帯(00〜03時)は意外と活発ですが、早朝(04〜06時)は静かで件数が少なめです。
東京時間(07〜11時)や欧州時間(12〜16時)、さらにロンドン・NY市場が重なる17〜23時はトレンドが多く、特に09時、14〜16時、18時、23時が顕著です。
つまり、主要市場の取引が重なる時間帯ほどトレンドが出やすい傾向があります。
| 時間帯 | 件数 | 傾向コメント |
|---|---|---|
| 00–03時 | 65〜79件 | 深夜帯でも比較的多い(特に02時が多め) |
| 04–06時 | 44〜59件 | 東京市場オープン前の静かな時間帯、件数少なめ |
| 07–11時 | 57〜78件 | 東京時間に入ると増加(07・09・10時が多い) |
| 12–16時 | 60〜82件 | 欧州勢参加で再び活発(14・15・16時が上位) |
| 17–23時 | 61〜79件 | ロンドン・NY時間にピーク(18・23時も高い) |
カイ二乗検定を行ったところ、p値は 0.0161 となりました。
この値は統計的に有意であり、『偶然の範囲で偏りが出たのではない』と判断できます。
つまり、時間帯ごとのトレンド発生回数には明確な偏りがある可能性が高いことが分かりました。
5. まとめ
半年分の1分足データを使って、5本以上連続UP/DOWNの時間帯別傾向を分析しました。
結果、時間帯によってトレンドが出やすいかどうかに差があることが統計的に示されました。
この分析は過去のデータに基づく統計です。
未来の値動きを完全に予測できるわけではありませんが、時間帯ごとの傾向を理解することでトレード戦略の参考になります。
