ネット上にはFXロジックの作り方に関する記事が数多く存在しますが、多くは一般論にとどまり、実際にどのように試行錯誤を重ねてロジックを確立していくのかがイメージしにくい内容です。
本記事では、私自身の試行錯誤の経験をもとに、ロジック構築のプロセスをわかりやすくまとめました。
説明はシステムトレードをメインとしていますが、裁量トレードにも同じ考え方が適用できます。
目次
1. はじめに
FXで継続的に利益を上げるためには、自らトレードルール(ロジック)を構築し、改善を重ねていくことが必要だと私は考えます。
他人が作成したロジックは、自分で育てたものではないため、その根底にある思想や意図を理解するのは難しいでしょう。
理解できないロジックを使っていても、改善につなげることはできません。
自ら悩み、試行錯誤しながら作り上げていくことでこそ、成果を出せるロジックに育っていくのだと思います。
近道を求めて他人のロジックを利用すれば、一時的に成果が出ることはあるかもしれません。
しかし、改善できない以上、長期的な成果を上げるのは難しいのではないでしょうか。
ロジックの構築には膨大な時間がかかります。
実際、私自身も「使えるロジック」を作り上げるまでに半年を費やしました。
そうした労力は、決して惜しむべきではないと考えています。
2. FXロジック構築の全体像
私が試行錯誤でFXのトレードルール(ロジック)を構築した経験からFXロジック構築のプロセスを以下に示します。
トレードルール(ロジック)は、やみくもに作ろうとしても時間ばかりかかり、なかなか成果を出せるものにはたどり着けません。
私自身、手当たり次第にロジックを試しては捨て、また次を試すということを繰り返しました。そこには方針もなく、ただ時間だけが過ぎていくという遠回りを経験しました。
ロジックを構築するには正しい進め方があります。しかし当時の私はそれを知らず、書籍やネットの記事を読んでも手順があまりに一般論的で、腹落ちしませんでした。
| ①トレードタイプの決定 | 最初に行うべきことは、「どんなタイプのトレードルール(ロジック)を作りたいのか」を明確にすることです。
代表的なタイプには次のようなものがあります。 ・トレンドフォロー型 まずは、この中から方針を決めるところから始まります。 |
|---|---|
| ②ベースロジックの決定 | トレードタイプが決まったら、次にベースとなるロジックを決めます。
例えば、トレンド転換型であれば「移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス」を利用する、といった具合です。 そして利確と損切のロジックを決めます。 |
| ③バックテストの実施 | ベースロジックを決めたら、まずは素の状態でバックテストを行います。 |
| ④結果分析 | おそらく、そのままでは結果はうまくいかないでしょう。
そこで「なぜうまくいかないのか」を分析します。 実際にビジュアルモードで売買の動きを見るとよいと思います。 そこから原因が分かることもあります。 |
| ⑤パラメータ調整 | 次に、パラメータを変更して再度バックテストを行います。
このとき、細かく調整しすぎるのは危険です。 微妙な変更でしか成果が出ないロジックは、過剰最適化(カーブフィッティング)となり、実運用に耐えない可能性が高いからです。 ※過剰最適化(カーブフィッティング)とは、トレードロジックやモデルが過去データの偶然のパターンやノイズに過剰に適応してしまい、将来のデータでは機能しない状態 |
| ⑥ダマシ回避のためのフィルター導入 | 「ベースロジックは正しい」という前提に立ち、うまく機能しないのはダマシが多いからだと考えます。
そこで、ダマシ回避のためのフィルターを導入します。 ただし、フィルターはやみくもに加えるのではなく、きちんとした思想に基づいて設計すべきです。 その上で再度バックテストを行い、効果を検証していきます。 |

実際のトレードルール(ロジック)構築ではフォワードテストも行いますが、本記事ではロジック構築に焦点を当てているため、省略します。
バックテストは「過去のデータでロジックの有効性を確認」するプロセスであり、フォワードテストは「未来のデータ=リアル相場で有効性を検証」する工程です。
3. イメージ:トレンド転換を狙うロジックの構築
ここでは、私が実際に構築したロジックを例に説明します。
ただし、実際にはさらに多くの内容を扱っています。
分かりやすくするために、説明の流れは簡略化しており、実際の内容とは異なります。
3-1. トレードタイプの決定(イメージ)
トレードタイプは、トレンド転換型にしました。
トレンド転換のタイミングでエントリーし、トレンド終了時に利確することで、より大きな利益が得られると考えたためです。
また、時間足は1分足、通貨ペアはドル円としました。
3-2. ベースロジックの決定(イメージ)
トレンド転換型に使えるテクニカル指標には、以下のようなものがあります。
・短期EMAと長期EMAのクロス
・MACDとシグナルラインのクロス
・RSIによる反転判断
私はこの中で、MACDとシグナルラインのクロスを選択しました。
理由は、短期EMAと長期EMAのクロスよりも早い段階でトレンド転換を察知できるためです。
RSIはトレンド転換を明確に示す指標ではないため、除外しました。
利確については、次のトレンド展開を示すMACDとシグナルラインのクロスを採用し、損切は固定価格に設定しました。
3-3. バックテスト実施(イメージ)
過去データでロジックを検証します。
MT4のビジュアルモード等を活用し、動きを詳細に確認します。
3-4. 分析(イメージ)

図はあくまでイメージです
部分的にでも右肩上がりが見られれば、そのロジックには期待が持てます。
バックテストの結果、ロジックが機能している部分と、まったく機能していない部分があることが分かりました。
これは、ダマシや相場環境の変化による影響の可能性が考えられます。
3-5. パラメータ調整(イメージ)
パラメータを調整し、再度バックテストを実施します。
例えばパラメータを0.1刻みで変更し、複数回バックテストを行うことで、最適解を探します。
3-6. ダマシ回避のためのフィルター導入(イメージ)
トレンド転換ロジックはダマシが多く発生しやすいため、上位時間足で明確なトレンド方向を確認することで、誤った転換シグナルを減らせる可能性があります。そこで、パーフェクトオーダーをフィルターとして導入しました。
ただし、フィルターはパーフェクトオーダーに限りません。目的に応じて、以下のような選択肢があります。
・ボリンジャーバンドのバンド幅:ボラティリティが一定以上のときのみトレードする
・ATRフィルター:相場が静かなときはエントリーを避ける
・時間帯フィルター:東京時間ではなく、流動性が高いロンドン・NY時間に限定する
これらのフィルターを導入したうえで再度バックテストを実施した結果、右肩上がりの結果となりました。

図はあくまでイメージです
実際に私が構築したロジックでは、トレンド転換をより正確に識別するためにボリンジャーバンドを導入し、さらにボラティリティが大きい局面で機能するよう、独自に開発した指数も取り入れています。
以下は、私が構築したEAのバックテスト結果です。
この結果にたどり着くまでに、およそ半年を要しました。毎日、仕事が終わった後にロジックを修正し、バックテストを行い、1日2時間ほど費やしていたと思います。
イメージではすんなり構築できたように見えるかもしれませんが、実際はロジックを足したり引いたりと、多くの試行錯誤を重ねました。
ネット上には「簡単に構築できた」といった記事もありますが、決してそんな簡単なものではありません。
ある程度の時間が必要です。
しかし、時間をかけることで、その分だけ確実に良いロジックに近づくはずです。

4. まとめ
まとめ
FXロジックの構築は一朝一夕に完成するものではありません。
成功するためには、以下のプロセスを粘り強く繰り返す必要があります。
- トレードタイプの決定
- ベースロジックの設定
- バックテストの実施
- 結果分析
- パラメータ調整
- ダマシ回避のためのフィルター導入
他人のロジックをそのまま使うのではなく、自ら試行錯誤することが重要であると思います。
こうすることで、ロジックの背景にある意図を理解し、改善や応用が可能になります。
